ファンツリー・マーケティング株式会社

成功事例

  • 成功事例2021.10.25

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    業界20年目に気づいた。失敗していた理由とは

    ファンツリー実践会主宰の砂田全士です。今日は、杉森篤さんを特別ゲストとしてお招きしています。
    今日のテーマは”業界20年目に気づいた。失敗していた理由とは”です。MDRTが当たり前になった営業スタイル変革の秘訣について、杉森さんには、ありのままでシェアをしていただきます。
    保険業界の中で、営業に苦しんでいる方、また保険業界以外の方も聞いてくださっていると思います。壁に行き詰ってどうやって乗り越えたのか、そのきっかけがあったのかという点が非常に大事です。その部分をしっかりと杉森さんにうかがっていきます。
    杉森さんは現在、アクサ生命にお勤めされていて、北九州支社に所属されています。業界18年目にしてMDRTへ初入会を果たし、失敗している理由に気づいてからは「MDRTが当たり前」という状態へ大きく進化されました。
    その中で、キーワードとなる”マーケティング”を現場に落とし込むやり方などに気づき、ご自身の営業スタイルや自信にも影響があったそうです。
    このあたりの秘訣もうかがっていきながら、細かい行動に落とし込むための秘訣をお聞きしたいと思います。
    では、杉森さん。よろしくお願いいたします。自己紹介を簡単にお願いできますか。

    杉森:ありがとうございます。ご紹介いただきました、アクサ生命保険の杉森篤です。現在51歳で、保険業界に入ったのは30歳の時でしたので、保険業界歴は21年目になります。
    前職は、住宅メーカーであるセキスイハイムで7年半ほど営業をしておりました。現在の活動としては、過去の経歴もふまえて住宅メーカーとのタイアップで仕事をすることが多いです。
    セキスイハイムに限らず、さまざまな住宅メーカーからお声かけをいただいています。今は、個人保険マーケットで活動をしております。

    砂田:よろしくお願いします。業界歴が非常に長くていらっしゃいますね。
    保険業界で働くには、大きく2つのタイプに分かれると思います。入社してすぐにMDRTを獲ってトップセールスに登り詰めるパターン。そして、転職したけれど前職以上の環境にならず、MDRTや表彰にも無縁で、何とか食いつないでいるパターン。このどちらかに該当する方が多いと思います。
    私は間違いなく後者で、いつもお話するように売れない時期が12年間もありました。
    借金地獄も経験し、決して順風満帆ではありませんでした。
    今回、”20年目にして”とタイトルにありますが、多くの人は、好転したポイントになかなか気づかなかったり、気づきにくいこともあるかと思います。その辺を紐解いていきます。

    マーケティングのベクトルを向ける先が変わった

    砂田:保険業界は厳しい業界で、上手くいく、いかないがはっきり分かれます。
    杉森さんの長いキャリアの中で、失敗に気づいた経緯や、上手くいくための要因に気づいたことをうかがえますか。

    杉森:ありがとうございます。もともと住宅メーカーで会社員として仕事をしていた時と、現在の保険業界に入った時、私自身がどのスキルを最も伸ばさなければならなかったのかに全く気づけていませんでした。
    前職の頃は、マーケティングするにしても、住宅メーカーがお客様を展示場へ集客してくれるので、来場者にセールスするのが私の仕事でした。
    保険業界に転職して、まずはお客様との出会いを自分で作っていかなればならないということを自分の中できちんと理解できていませんでした。
    すごく上手にセールスをすれば、紹介というマーケティングにつながるというふうに漠然と考えていましたので、マーケティングを掘り下げて勉強できていませんでした。
    私の上司はずっと「マーケティングが重要だ」と、口を酸っぱくして言ってくれていたのですが、「マーケティングはセールスの手法の1つ」と当時の私は感じていたので、マーケティングに対する意識がまったくなかったですね。

    砂田:私もこのファンツリー実践会で、現在ファンツリーマーケティングという会社を設立するにあたって、マーケティングという概念が抜けているなと感じています。
    マーケティングには、セールス色の強いイメージがあると思いますが、この部分を違った捉え方にすることで、杉森さんのステージが1つ上がったと聞いています。
    マーケティングについて、どのようなきっかけがあって行動が変わってきたのでしょうか。

    杉森:砂田さんの勉強会に参加させていただくと、「成功のベクトルをお客様に向けましょう」という言葉やお話が出てきます。
    勉強会に参加し始めて2年以上になりますが、その価値観にくりかえし触れていかなければ、自分に浸透しているものはなかなか変わりません。
    最近は、マーケティングという言葉自体がお客様にむいているのか、それとも自分たちの業績に向いているかが大きく異なるなと、改めて感じています。
    マーケティングとは、世の中で困りごとを抱えている方のお困りごとを解決する商品やサービスを届ける、といった概念があります。
    たとえば、目の前で輸血を待っている患者さんに、輸血用の血液製剤を届ける。しかし、どこに、どのくらいの患者さんが必要としているかわからない場合、その患者さんを探す手法もマーケティングだと思います。
    緊急を要する困りごとならば、お客様にベクトルが向きやすいです。けれども、私たちが提供している商品やサービスは、まったく緊急性を要していません。
    保険が第一象限に入っているのは、保険屋さんくらいですからね。お客様にとって第二象限のサービスを、マーケティングという言葉でとらえようとすると、ベクトルは自分に向いていた感覚があります。
    最近は、マーケティングという言葉を、お客様にベクトルを向けてイメージすることができるようになってきたのかなと感じています。

    砂田:お客様へベクトルを向けるという話は、ファンツリー実践会でいつもお話していますが、毎月の数字に関わるような保険業界の中で意識しつづけるのは、簡単なことではありません。
    お客様に対してベクトルを向けられるマインドになったことで、売るためのマーケティングから、お悩み事を解決するためのマーケティングをできるようになったのですね。
    杉森さんは、お客様の信用であったり、仕事も上手く大きく回るようになって進化していると思います。
    私は今日、ある代理店で20~30人の方に向けた勉強会でお話を1時間ほどしました。
    その勉強会のテーマとして「MDRTになるためのステップになるような話をしてもらえないか」というオーダーをいただきました。
    そこで、MDRTになるためのマインドの部分が一番重要だと思い、開始から10分ほどマインドの話をさせていただきました。
    杉森さんも、今までに上手くいかなかったことがあって、マーケティングの考え方やお客様にベクトルを向けることで実際に上手くいく、といった成功するマインドセットへ明らかに変わってきているのだと思います。
    この話を初めて聞いている方にもわかるように、上手くいかなかった時と、上手くいき始めたマインドセットの違いをお話していただけませんか。

    天国マインドとギブアンドテイクが重要

    杉森:マインドでいえば、私はずっと地獄マインドで仕事をしていました。
    これが天国のマインドに変わったことで、気持ちも軽くなり、お客様との接し方も変わってきました。
    『天国と地獄』の昔話を聞いたことがある方は多いと思います。地獄にいる住人は、食事の際に自分で一生懸命に食べようとしても、持っているスプーンが1mもの長さがあるので自分の口に食べ物を運べずやせ細っている状態です。
    かたや天国にいくと、状況は全く変わらないけれども、そのスプーンを持って、目の前の人の口に食事を運んでいる状態です。
    砂田さんの勉強会や自分の仕事に置きかえて、この話を改めて考えると、天国の人たちがやっていることは、単なるギブではなくてギブアンドテイクだと感じたのです。
    30代前半の頃は、仕事も駆け出しで業績不振に追われていました。
    その状況で、人のためにといった話をしていると、ある年長者の方から「杉森君、人のためってなんだか嘘っぽいよ」「人べんに為と書いて偽りと読むので、人のためとはあまり言わないほうが良いよ」と言われました。
    確かに、自分自身が充足していない状態で、「あなたのために」というのは偽善かなとも思います。
    『天国と地獄』の話でいうと、天国の住人が増えてくれば、隣にいる人にそれぞれ食事を運んであげて、最終的に自分が食べさせてもらうという循環の仕組みが天国ですね。
    一方的に与えるだけではなくて、自分が最後に与えてもらうための行為だと思えば変われると思います。

    砂田:私もこの業界に23歳で入りました。「人のため、社会のために保険を」と言っても、自分が借金地獄で生活もできていないのに、嘘っぽいですよね。
    ご年配の方は、そこを見抜かれますからね。
    確かに、「人のため」といった言葉は、軽く使うと逆効果なのだ改めて思いました。
    循環していく最初の一歩は与えることかもしれませんが、「与えたら与えられる」と考えると踏みだしやすくなります。
    矢印を自分にしか向けていない方より、自分のことを気遣ってくれる人に心を開いていくと思いますので、ここはとても大事なことだと思いました。
    マインドセットについては、いろいろなセミナーで話を聞かれると思います。
    今日のファンツリー対談では、保険の具体的なお話や技術面にも触れますが、この業界で勉強会をすると「どうやったら紹介をもらえるか、トークを教えて」と、すぐに実を取りたがる人が多いです。「その資料ちょうだいよ」という方もいます。
    私も、先輩の勉強会があった時に、いつもUSBを偲ばせておいて「資料をくれませんか」と言っていた記憶がありますが、今思い返すと「当時はくれくれ星人でイヤな奴だったな」と思います。
    最初のギブの気持ちがなければ、いくらスキルや技術、トークを学んでも、その場しのぎの結果しか生まれません。
    20年ものマーケティングの捉え方が変わったという、杉森さんのお話は非常に大きな転機ですので、聞いてくださっている方もなにかきっかけを掴んでいただきたいです。
    天国と地獄の話は、イラストでよく使われますしとてもわかりやすいです。客観的に見ればわかるものの、自分が地獄マインドだということに気づいていないことはけっこうありますよね。
    杉森さんは、天国マインドで仕事ができる時間が長くなってきたということですね。
    杉森:はい、そうですね。

    天国マインドで変わる考え方の支点

    砂田:皆さんは勉強熱心なので、たとえば保険会社で商品研究やロールプレイングや、いろいろな研修会に参加することがあるでしょう。
    しかし、研究の仕方や勉強の捉え方を間違っている方が非常に多いと感じることがあります。
    杉森さんは、天国マインドに変わってから、自分が取り扱う商品に対しての研究や、理解の方法など取り組み方も変わったとうかがいました。
    同じ商品研究をする場合にたとえて、ビフォーアフターの話をシェアしていただけますか。

    杉森:ありがとうございます。商品開発でも、やはりベクトルが自分に向いているのか、または、会社なのかお客様なのかによって違います。
    会社や自分にベクトルを向けると、「どうすれば売れるか」という発想になります。
    社会の課題やお客様の課題を解決するための商品開発ととらえると、「そもそも何が社会の課題なのか」「お客様の課題は何なのか」と紐解いて考える過程が必要だと思っています。

    私たちが扱っている生命保険という商品は、社会保障や税金だけで補完しきれないところを個人の自助努力、相互扶助の精神で補う目的を持っています。
    ですので、税金がまったくない世の中はどうなるか、社会保障制度がない世の中はどうなっているのか、ということを一度考えてみましょう。
    そこで、「必要な仕組なんだな」と自分の中で腑に落とせれば、補完するための生命保険の必要性もおのずと見えてくると思っています。
    実際に、人口9割の方が生命保険に加入しています。すでに社会の中に十分に行きわたっている商品を、さらに販売しようとすると、マーケティングはものすごく難しくなります。
    けれども、社会の課題を解決するという観点から考えると、課題解決率はまだ1桁ほどではないかと思います。
    それなら行先はまだまだ多いですし、1人では回り切れないなといった発想になります。

    砂田:課題解決率という発想は良いですね。
    保険加入率は9割を超えているといわれますが、それで老後の年金まで安心できるかといえば、そこは日本の多くの方が課題に感じている点です。解決できている割合は非常に低いですね。
    保険も1つの手段ですし、課題を解決するための保険があり、国が用意した制度があり、保険以外の商品をいろいろと組み合わせなければ、お客様の課題解決が100%保険のみでできるわけではありませんからね。
    杉森さんは、税金や社会保障のことなど、日頃のセミナーやお客様に向けて話をされることも多いと思います。
    他の制度とのバランスや伝え方は、他の現場でどのように落とし込んでいますか。

    杉森:まずは目的が重要だと思っています。
    一口に「保険に加入していますか」という質問に対して、何か1つでも保険商品をもっていれば、イエスの答えが帰ってきますが、目的別に保険商品を細分化すると、私の中で最低でも20項目ほど出てきます。
    具体的には、死亡保障保険の中でも目的が葬儀費用であったり、パートナーの生活だったり、子どもさんの学資を支えるためであったり、といろいろな項目が細分化されて出てきます。
    目的が明確にわかれば、「社会保障の公的な遺族年金でカバーできそうだ」とか、「住宅は持ち家なので団体信用生命保険でカバーできる」といったことが的確にわかってきます。
    そうすると、不足している部分が具体的な打ち合わせで出てきますね。
    たとえば、「服を持っていますか」という質問に対して、靴下しか履いていない人が「はい、着ています」とは答えませんね。
    保険の場合は、靴下しか履いていないような人が「はい、服を着ていますよ」という答えをしがちなので、きちんとそれぞれの目的別に、準備できている部分とできていない部分を細かく打ち合わせして、足りない部分を共有すると話が前に進むと思います。

    砂田:今のお話をうかがうと、質問力がとても大事だなと思いますね。
    「保険に入っていますよね」という当たり前な質問では、お客様の課題解決ができないままで、先の話もできずに撃沈している人がたくさんいると思います。
    お客様に気づきを与えたり、質問を変えることで、商談がお客様にとって将来の悩み解決につながるというステップがわかれば、その後に会ってくださるようになります。
    杉森さんは、このステップで保険や運用をお任せされるほどの信用や信頼を得ているのだと思いますが、心がけているスキル、自分で勉強していること、現場で取り入れていることはありますか。

    保険はお客様の夢を叶える具体的なツール

    杉森:私も改めて勉強をしたいなと思っているのは、コーチングや心理学です。
    理由は、保険自体が、お客様の夢や願望を実現させるための目標実現プログラムだと捉えているからです。

    そもそも、その方が漠然と考えている夢に対して、さらにそれを進化させれば願望になって、日々努力して行動目標にまで落とし込んでいる方は目標設定をしています。
    しかし、そこまでやっても実現できない方のほうが、もしかしたら多いかもしれません。
    生命保険という手段は、いつまでにいくらお金を貯めるといったような、目標を叶えやすくなるツールだと思っています。
    その方の夢や願望が何かを知るには、セールススキルではなくコーチングスキルが必要なのです。
    これは入社当初から上司に言われていたことなのですが、そのころは地獄マインドでしたので、売るためのスキルと捉えてしまっていたんですね。
    お客様の成功を実現させるためのスキルとして、もう一度学び直したいなと思っています。

    砂田:セールスする上でコーチングは今後、必須になるのではないかというほど、一方的に売り込むことが時代遅れになっているような気がしますね。
    ”狩猟型”から”農耕型”へ、という話もしますが、お客様に対して何でも売れたのはバブルの頃ですし、景気が良い時はそれでもいいかもしれません。
    コーチングは「寄り添う」というイメージに近いですが、先が不透明な時は、そのマインドで接していかなければ心を開いてくれませんよね。
    お客様が将来について漠然と抱いていたことを、言葉に書いたり、聞き出したりしながら、保険がそれを叶えるためのプロセスプログラムとしてお役に立てるツールだ、と落とし込んで、自分の将来のために加入する。
    これは、保険に入るのではなく、お客様の夢を叶えるためだという感覚になれますね。
    杉森さんは、このような話をしていれば、以前の地獄マインドの頃と比べると保険料のお預かり単価も変わったのではないですか。

    杉森:そうですね、他と比較されにくくなったかなとは思います。
    単価については、ご家庭ごとの資金面での体力もありますし、保険の捻出が今は難しいといったご家庭もあります。
    単価を大きくお預かりする場合と、「今はここからスタートしましょう」という場合に分かれますが、どちらも楽しいと感じています。

    砂田:杉森さんは現在、個人向けのマネープランや、住宅関係のファイナンシャルアドバイザーとしての話からご契約にいたる方が多いということですが、このような保険の営業スタイルを持っている人は全国でもたくさんいらっしゃると思うんですね。
    住宅FPとしていろんな住宅メーカーと提携して、紹介を受けて保険の見直しをしてもらう際、「今はこれだけしかだせないけど」という方もいると思います。
    本当は月に5万円ずつ貯蓄したいけれど、今は1万5,000~2万円しか貯蓄できない。このようなご契約をお預かりした後に、営業マンの差がおおきく分かれると思うんです。
    お客様の夢や目標をお聞きして、目標達成のために5万、7万円という額が必要な方に、「では今回は2万円から始めましょう」と契約をあずかるところまではみんな一緒だと思います。
    そこで、さらに杉森さんが心がけていること、行動していることはどんなことですか。どんなふうに接してお客様と関係を作っていくのでしょうか。

    杉森:これは、私がこれまで全然できていなかったことで、最近やり始めていることではありますが、次のアポイントを入れておくということです。
    次のアポイントは、1週間から2週間後といった直近の連絡ですが、ライフプランを扱う場合には次のアポイントが3年後、5年後ということがタイミング的に見えます。
    ですので、「そのあたりのタイミングでまた一度ご連絡を差し上げましょう」と、お客様とお別れするときには次の日程を決めるのが、ひとつの方法として効果的かなと思います。

    砂田:それが1年、2年と中長期に渡ることになりますが、たとえば2年後の4月に、といったように仮決めをするということですか。

    杉森:というよりは、ご連絡するお約束をしておくというかんじです。

    砂田:そこまで具体的なタイミングでお約束をしておくのですね。
    私も、MDRTのトップセールスの集まりの中で、「10年手帳を使っている」というダブルTOT(MDRTの12倍)の方にお会いしました。
    その方は、たとえば法人保険であれば5年後にピークを迎える場合に、5年後のカレンダーに予約を入れていくとおっしゃっていました。
    そうすると、2~3年後のアポイントが循環して埋まっていくのです。
    決算対策であれば「日付を指定してお会いしましょう」と3か月前にご連絡して、仮にアポイントを入れていくという話があり、やり始めて、TOTの2~3倍の基準を維持したという話を思い出しました。
    それを聞いた時、「すごいけれど私はできていなかったな」と思いましたね。

    杉森:これを今からやって行こうと思います。
    これができれば、仕事のストレスは軽くなると思います。

    砂田:杉森さんがお客様にきちんと伝えているという部分を、私はやれてないなと改めて思いました。行動に移していれけば、それが積み重なって行く先に困らないでしょうね。
    「既存のお客様をきちんとフォローする」と決めて、日程を重ねていけば、ある程度予定が埋まって当然だと感じましたので、私も初心に帰って行動したいと思います。
    ありがとうございます。

    今の日本を保つために民間保険業界が担う役割は大きい

    砂田:商品研究のやり方についても、やはり、お客様の方を向いているかどうかによって伝え方が変わりますし、他の制度に関することも、お客様によって質問を変えていくことで、さらに話が広がったりしますね。
    ここは、コーチングのスキルや、聴くスキルが必要になる部分です。
    杉森さんのように、地獄マインドから天国マインドの割合が高くなり、お客様の満足度が上がってファンが増える中で、やりがいや、喜んでもらえるという実感も増えれば「この仕事をやってよかった」と自分の使命感的なものが太くなっていくと思うんですね。
    使命感ができると、保険の仕事は一生できるだろうなと思います。私にも使命感があって、保険の仕事で苦しむことはないし、辞めることもないだろうと感じています。
    以前は使命感の軸ができていなかったと思いますが、重森さんはどのようにして、その軸ができあがってきましたか。
    そして、その軸を元にどのようにして仕事に取り組んでいるのか。お客様に軸をどうやって伝えるかというイメージでシェアしていただけますか。

    杉森:ありがとうございます。
    天国と地獄の話を何度もしていますが、今の日本は、海外からすると天国に見えることが多いだろう思いますし、私の中でもいろいろな気づきがあります。
    具体的には、食事に出かけた席でトイレに行きたいと思った時、荷物を席に置いたまま行く人が日本ではまだいらっしゃるでしょうが、戻った時に荷物がなくなっている可能性や、落し物がちゃんと届けられる可能性は、海外と比べて高いですね。
    これは天国だな、と思っています。経済的な不安や心配を抱えている方が増えると、今の天国の状態はなくなるだろうなと考えています。
    社会保障だけでカバーしきれなくなっている世の中で、今の日本の状態を保つために、私たち民間保険会社が担う役割は強くなっていると感じています。
    たったひとりでこれをやろうとすると、世の中が変わるイメージまではできません。
    ですが、砂田さんを通して、保険業界のお仲間の皆さんと一緒に勉強を進めることで、たとえば10万人の保険会社の人が500人のお客様につたえることで、日本の人口の半分ほどは網羅出来ます。
    保険業界は、世の中を正しく変えるための力を持っていると思いますので、私はそこでお役に立ちたいという思いで仕事ができています。

    砂田:保険を扱う方は全国に何十万人もいらっしゃるので、1人が500人の方に伝えるとそれは本当に相当な数ですよね。
    普及率90%以上になるような、すでに根付いている商品を扱っているので、私たちが何を考えてどんなことを発信するかという、積み重ねの輪が広がっていくことで、ある意味で業界に限らず、日本の何か流れを変える影響力が出てくると思います。

    スキルの掛け算でイメージをブランディング

    砂田:若手保険会社員の方や業界以外の方で、まだ軌道に乗れていない方もいると思います。
    杉森さんが、その軸を持てるようになるまでの行動やどんな提案やアドバイスをしてあげますか。

    杉森:砂田さんから教わったことをそのままお伝えすることになりますが、自分の強みの棚卸と、理想のお客様をきっちりと言語化することだと思います。
    自分の強みの棚卸にはいろいろなやり方がありますが、最近私がうかがった話で「100人中1人のスキルを持つためには最低でも1万時間ほどを投下しなければダメだ」ということですね。
    1日8時間で計算をすると、1万時間は3年半にあたります。私の場合、前職の住宅メーカーで使った時間は1万時間を超えていますし、保険業界に入ってからも超えているので、2つのスキルに関しては100分の1×100分の1で1万分の1の存在になれます。
    これは、セルフイメージの持ち方かもしれませんがひとつの方法です。
    学生時代でも、何かに一生懸命取り組んだ経験があり、それも3年半の時間を使っていれば、さらにかけ合わせて100万分の1の存在でお客様に役立てるセルフイメージを広げています。
    理想のお客様に関しては、お好み焼きを食べたいと思った時、私は、どんどん亭を思い浮かべるのですが、このお店は1つに特化しているからだと思うのです。
    砂田さんもおっしゃるように、「理想のお客様を見つける時に、捨てるものをきちんと決めなければいけない」ということ。
    どんどん亭に定食があったら、お好み焼きを食べたいと思った時に、どんどん亭をイメージできなくなります。
    杉森といえば「住宅×保険」「保険×投資信託の運用」といった掛け算がお客様にイメージできるようにしておかねばならないと思っています。
    駆け出しの方でも「○○さんといえば」という、保険に関することでなくてもいいのでお客様のイメージをもってもらい、ブランディングできるといいと思います。

    砂田:実践会でもワークをしたりしますが、強みの分析と掛け算はとても重要です。
    「1万分の1の存在になろう」という話を私もしますが、単純に「100分の1ってなかなかないよな」と感じている方がいらっしゃるでしょう。
    私は運動神経は良くないし、スポーツは上手くありません。今、私が自信を持っていえるのは、ファンツリーの世界大会で講演をさせていただいたことです。
    ここに至るまでの、掛け算の考え方が大事だと思っています。
    10分の1を4回掛けると1万分の1になります。前職のことや保険のこと、学生時代のことなど、10人のうち1人くらい上手くできていることを掛け算していくと、ハードルは低くなるのではないでしょうか。
    キャリアが浅い方や自分に前職の強みもない方は、学生の頃や現職も含めて10分1の掛け算を4つと考えれば、けっこう思い浮かぶのではないかと思います。プライベートの強みも含めると、1万分の1は割と簡単にできると思います。
    「1万時間を費やしたもの」という杉森さんの考え方だけで、1万分の1ができる方も多くいらっしゃると思います。
    その結果、「住宅と保険といえば杉森さん」になったのですね。他にはどんな伝え方がありますか。

    杉森:suumoカウンターや、保険の窓口のようなところへうかがうニーズを持っていらっしゃる方であれば、私の所に来ていただきたいですね。
    名前が杉森ですので、スギモカウンターにしようかと考えていますね(笑)。

    砂田:suumoにいく方は増えていますし、私も保険の窓口代理店に以前いましたので、研修の内容がしっかりしているのは知っています。ですが、画一的な教育を受けるだけで、先ほどの掛け算がないのです。
    「杉森さんだから」「杉森さんらしさ」は、前職経験であったり、現職でお客様に向けたマーケティングを長くやっている発想から提案力、信用力が変わってきて、これが1つの強みに変わり育ちあがります。
    ここがブレることはそうそうないのでしょうが、タイミングによっては皆さんの悩む部分が異なると思います。
    やはり結局は、どんなお客様を理想とするかというところに戻ってくるのかなと、コンサルティングをしながらいつも思います。

    理想のクライアントを言葉にすることの大切さ

    砂田:杉森さんにとって今の理想のクライアントお客様は、どんな言葉になりますか。

    杉森:「子育て中の共働き世代で、住宅を購入したいけれどもご夫婦の意見がまとまっていない」といったご家庭です。

    砂田:おもしろいですね。住宅を建てたいけれども意見がまとまっていないというのが、らしいところですね。解決に導く工程が好きなのですね。

    杉森:これは私の失敗談から来ているところもありますが、私には離婚経験があります。
    奥さんはマンション派でご主人が戸建て派だったり、奥さんの実家近くか旦那さんの実家近くか、購入場所も意見が違うかもしれません。
    住宅に対する方向性について、コミュニケーションスキルを学んでいないご夫婦だけで話をしようとすると、そこには地雷がたくさん埋まっているのです。
    これがきっかけで、言ってはいけないひとことを言ってしまうご夫婦も中にはいるかもしれません。
    結婚から5年以内に離婚するご夫婦が多いという統計もあります。
    お子さんが生まれて小さい間に、そろそろ家をどうしようかというタイミングで、いろんな交通整理をしてくれるような、人生の失敗をたくさん抱えている人が横にいれば、お客様の心配ごとを少し減らせるイメージが私の中にあります。
    そんなお客様のお手伝いをしたいと、今は思っていますね。

    砂田:それはお客様も助かるし、自分もワクワクしたり楽しく充実した商談になるということですね。
    今、この話を聞いていて、理想のお客様を言葉にできないと思っている方も、お客様が予想以上に喜んでくれたり、感謝してもらえた商談を振り返ると、そこに皆さんの強みがあったり、理想の商談や理想のお客様を言葉にすることができると思います。
    今回の杉森さんのケースを、自分ごとに置きかえて考えてみると落とし込みしやすいと思いますので、ぜひ現場で役立てて、ご自身のマーケティングの考え方や次のステップに対しての気づきにしていただきたいと思います。

    質問「コロナ禍でどうやって商談を進めればいいのか悩んでいます」

    砂田:質問がありますので、取り上げたいと思います。
    住宅FPから紹介があって、実際にお客様と会う仕事をされている方からのご相談です。
    「今コロナ禍になって商談件数が少なくなったり、今までの仕事の流れが鈍くなったしている悩みがあって、時間が空いたり、コロナ禍での商談をどうやって進めて行けばいいのか、やっていたほうが良いことがあればアドバイスをいただきたい」ということです。
    杉森さん、いかがでしょうか。

    杉森:ありがとうございます。私がいる北九州市では、面談に大きく抵抗を示されるお客様はそれほど多くないです。おうかがいできているケースは多いですが、それでもZOOMやオンライン打ち合わせは以前より増えています。
    これまですべて面談でやっていた打ち合わせの中で、「これはやはり面談でしたほうがいい」というものと、「これは面談でなくてもできる」というものが細分化されているように思います。
    打ち合わせの中のテーマによっては、ZOOMでなくても電話でできますし、こちらの情報提供をする場面であれば、動画を作成して事前にみてもらうパートがあっても良いと思います。
    自分とお客様との打ち合わせの中身を、テーマごとに分けていけていると感じますね。
    このように考えていくと、コロナ禍でも面談件数を落とさずに仕事ができている方が多いですし、ZOOMなどを活用するようになって、件数が増えているという方の情報が周りでは多いです。
    まずは、たくさんのことを取り入れて、コロナ禍でも活動量が増えている方の話を聞くのが良いと思います。

    砂田:ここはけっこう分かれますね。ZOOMに苦手意識がある方もいますし、きっかけがあった時にZOOM面談や営業エリアが広がったり、保険業界も「面談ができればいい」という会社が増えてきていますから、今がチャンスだと私も思います。
    杉森さんもここはチャンスだと感じますか。

    杉森:アフターフォローのお客様に、練習をさせていただくといいと思います。仲良くなっていても抵抗がある方がいらっしゃいますので、「カメラはオフでけっこうです。5分だけ練習をしませんか」という感覚です。

    これは、岩中忠輔さんのお話をそのまま使わせていただきましたが、練習のお誘いなどは逆に喜ばれたり、ゼロイチができればその後は進みやすいですね。

    砂田:岩中さんは、以前にファンツリー対談に出ていただいたソニー生命の方です。
    この方がまさに昨年、コロナ禍でオンライン面談ができなかったところから、ソニー生命のオンラインイベントで登壇するほどまでに使い倒して、MDRT会でも講師をされると聞いています。
    オンラインをチャンスに変えて、強みの掛け算で成功した例となった人の話を聞いてみるといいですね。

    杉森:それが当たり前になっている環境に身を置けるといいですね。

    砂田:環境は大事ですね。周りに成功者がいる環境の中でなければ、それを探しに行ったり変える努力も大切ですね。
    実際に、私も「コロナ禍でオンラインをどうやっていますか」という相談や質問は未だに多く受けます。
    段取りなどをいつも以上に大事にすると、オンラインのほうが効率が良かったりしますので、私もチャンスだと思っていますし、上手くいっている人の周りに聞いていく、TTP(徹底的にパクる)、これをやっていくべきでしょうね。
    ファンツリー実践会という学びの場の共有を2年以上続けてきて、現在100名くらいの方が一緒に学んでいます。そのなかでも、言語化、理想の顧客、強みがポイントかなと思います。大きな結果を出す差です。
    ここに関しての細かいワークや、ノウハウ、学ぶとこうなれるというスキルは無料解放しようと思っています。
    理想の顧客は誰なのか、自分にとっての強みをどうやって作れば良いのだろう、誰が応援者として自分のファンになってくれるのか、お客様との関係性の作り方など、今日の話もふまえて無料Webセミナーを見ていただけると、今日の内容が具体的な、ご自身の仕事や行動に落とし込んで行けると思います。
    チャットへリンクを後で貼らせていただきますので、気軽に。今日の振り返り、行動の落とし込みをやっていただければと思います。

    ご視聴のあなたへメッセージ

    砂田:杉森さんが、20年以上のキャリアの中で、どこをどう乗り越えて、マーケティングを捉えて天国マインドで仕事ができ、お客様の満足を得られているのか、という話をうかがいました。
    最後に、杉森さんが考えていらっしゃる今後の展望と、聞いていただいている方へメッセージをお願いします。

    杉森:ありがとうございます。
    自分で振り返ってみても、きつい時間が長かったですが、過去の自分の失敗も意味があったと自分で思っています。
    経済的に苦しい経験をしたこともありますが、これは今から、多くの人たちにとって起こる可能性のある世の中だろうと感じています。
    しかし、それに対して私たちの仕事がきちんと関わることで、そうではない未来も作っていけると思っています。
    社会保障制度を補完する保険制度が世の中をよりよくしていく部分と、自分が、つながりながら仕事をしていきたいと思っています。

    私が子どもの頃は、家から出る時にカギをかけずに、となりの家のカギが空いていれば勝手に上がりこむといった田舎で育ちました。
    知らない人から愛されている、という経験が人には大事なことではないかと思っています。
    親族だけではなく、地域の人たちから受け入れられて、かわいがられるような社会の土台を作るためであり、経済的不安を消すための仕事を手伝えたらと思っています。

    砂田:杉森さんのお話は、もう一歩上に上がりたい、MDRTの上を目指したい方にとって、いいきっかけになる話だと思います。
    業界や社会がよくなるための発信をして、行動できるようになると、天国マインドに近づいて行くと思います。
    また、来月以降も実践の場で、変化・成長された影響力のある方と対談していきますので、楽しみにお待ちください。
    今日は杉森篤さんにお話をうかがい、シェアしていただきました。皆さん、画面の向こうから拍手を送りましょう。
    最後までご視聴いただきありがとうございました。では失礼いたします。

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    本日はご視聴ありがとうございました!